背骨の形が崩れて猫背になると、腰痛や肩凝りだけでなく、身体の内部にもさまざまな悪影響が出ることが分かってきています。この時期(=夏季)はどうしても姿勢が崩れやすいのでいつも以上に気を付けられた方が良いと思います。
基本的に内臓は猫背であると良い位置を保てなくなります。例えば、胃腸関連。当院に来られる患者さんで最近多いものに「逆流性食道炎」があるのですが、例外なくひどい猫背の人が多い。
逆流性食道炎、昔はお年寄りなど高齢者に多いとされていました。加齢による食道下部括約筋(=食道と胃の間を閉じる筋)の筋力低下や、食べ物(=辛い食物)による影響などが久しく言われてきました。
しかし最近は若い人にもみられます。私は単に、若い人の姿勢がお年寄りと変わらなくなってきているからであると捉えています。
デスクワークや運動不足により、丸まった姿勢が多くなり、背骨のS字が消失し、内臓の位置が正常と比べて下に下がります(=内臓下垂といいます)。同時に内蔵の機能は落ちます。(*栄養の吸収力が低下)
また、胃や腸には「括約筋」という食べ物が逆流しないような筋群があるのですが、そのスイッチも入りづらくなるようです。要は、括約筋は内臓の位置が正常(=水平)でなければスイッチが入らない=力が入らないという事です。(=あくまで当院の見解です)
これは骨格筋=関節の筋なども一緒ですよね。良い姿勢でないと、腰や背中の筋に力が入りづらいのと同じ事です。
同じメカニズムで機能が低下していると私が考えているものに「下痢」があります。
私は学校で教官の仕事もさせていただいているのですが、若い子の下痢は明らかに猫背の学生に多い感じがします。腸が下垂し、内部にある括約筋群が上手く作動してないのかも知れません。
食道や胃、腸などの括約筋が作動しないとどうなるか?
食物はすぐに次の場所に流れて行こうとします。口から肛門まで、人間の体には1本の管が入っているようなもの。そしてそれぞれの場所で消化という作業をすることで、栄養吸収の終わったある程度硬くなった便が出てきます。しかしこれが「未消化状態」になり易いという事です。
要は、栄養が未吸収=未完成なままベルトコンベアにのって次の工程へ流れていってしまう商品みたいな感じなので、いつもドロドロ便状態になってしまうのですね。
せぼね研究室で背骨がS字になり、体全体がグッと上に引きあがることで内臓も上がり、括約筋部分が正常に働きます。なので背骨が矯正されてしばらくすると、逆流性食道炎や慢性的な下痢が改善していく事が多いのです。
そういえば、ユーチューバーのヒ○キンさんも下痢しやすいと言っていました。あと、とにかく「我慢」ができない(=出てくるのが早い)らしいです。彼も間違いなく猫背。括約筋が普段からうまく働かず、結果として栄養吸収しづらくなっているのかも知れませんね。
今日は姿勢と内臓機能についてでした。下痢や逆流性食道炎でお悩みの方、少しでも参考になれば幸いです。
内臓機能を復活させるにはまず、下エクササイズで背骨のS字を作成していくことをお勧めさせていただきます。