私はイチロー選手とは縁があると勝手に思っています。
高校当時、豊橋東高校野球部に属していましたが、私学4強の一角、「愛工大名電」には豊橋出身者が4人もいました。そのため「豊橋名電」と言われたものでした。
中学時代にバッテリーを組んでいた正捕手もその4人に入っていました。彼は名電で1番ショートでレギュラーを取り、のちに社会人野球で活躍します。我々、地元(=豊橋)人間からすれば彼も十分に野球の上手いヒーローでした。
しかし、そのヒーローである彼が豊橋に帰ってくるたびにある事を繰り返し言っていました。
「後輩に宇宙人のようなやつがおる!!」
何を隠そう、まさにその「宇宙人」こそ当時の愛工大名電高校の3番レフト(2年生当時)鈴木選手(=のちのイチロー)を表現する言葉でした。
正直、2年生までは特に目立つ存在ではなかった。
2年夏の甲子園も私はテレビ観戦して豊橋の4人を応援していたのですが、天理の南投手(=のち、日ハム入り)が投げる145㌔の伸びあるストレートにほとんどの選手がつまっていました。イチロー選手もつまったセンター前ヒット1本に抑えられていました。
3年春は松商の上田投手(=のち日ハム入り)に5タコ。よい当たりはほとんど無かったと記憶しています。
しかし、それは単なる序章であったことがすぐに分かるのでした。
最後の3年夏。
当時のプロ注目投手である中京の木村投手。(=巨人に入った木村投手ではありません)
140㌔は優に超える直球を放っていたと記憶しています。今でこそ、135~140㌔はあまり珍しくなくなりましたが、当時、普通の高校生ではまともに捉えられる球速ではありませんでした。
しかし、試合を通じてイチロー選手は本当にボールが止まって見えているような確実なミートを繰り返します。打ち損じが本当に無い。とどめとして熱田球場の場外へアーチをかけてしまいました。(木村投手も脱帽という感じに見えます)
先の「宇宙人」という同級生の言葉は練習中の打撃でも試合でも全くといって良いほど打ち損じが無いことを指していたのです。
打ち方は元巨人の篠塚選手のようなしなやかさがありましたが、横から見ると違いは明白。実際、見たことも無いような前重心。後ろに重心を残して回転するというのがそれまでの王道スタイルですが、明らかに前に乗り出してスイングする形。これは非力な体格を補おうとしてチチローと共に研究した成果らしいです。
さて、先日引退を発表したイチロー選手の引退会見。ご覧になった方は分かるかと思いますが、「衰えた」という言葉を使うことは最後までありませんでした。(*それらしい質問が出ましたが、一蹴されてましたよね?)
私はイチロー選手の事を他の人よりは知っているつもりですので、ここでその事について少し分析してみました。
1 投げる
→あれだけ(=先日の東京ドームでの遠投)のレーザービームができるという事は、衰え無しですよね
→あれ以上に投げられる若い選手って何人います?
2 走る
→盗塁こそ記録されていませんが、あのしなやかな走り方を見ればわかりませんか?(*説明が拙くてすいません)45歳であれだけ前後左右に走れ、守れることで脚力の柔軟性、筋力は証明されています
3 打撃
→メディアや評論家の方、ほとんどの専門家が衰えを指摘しています。しかし、あえて言います。衰えたというのは「誤解」です。
根拠一覧:
・イチロー選手は超が付くスロースターターである
→高校3年最後の夏で頭角を現した
→プロ入団後3年目に頭角を現した
→2回のWBC共に決勝ラウンド後半で本来の活躍をした
→全盛期においても調子が上がってくるのは6月に入ったくらいからであった・・・。
・イチロー選手は先発出場でないと力を発揮しにくい
→元々、とにかく好球必打で早打ちタイプである
→代打専門になり初球から打ちに行かなくなってからスイングに迷いが生じ、スイングスピードも落ちたように見える。
長くなりすいません。最後にフルシーズン1番で出たとして、残すことが可能と私が推測する「推定成績」を。
打率:315 ホームラン15本 盗塁25
十分に行けると思うんだけどな~。(*あくまで私の見解です。他見解を否定するものではありません。)